アンテプリマ

アンテプリマ

アンテプリマは香港にあるフェニックス社傘下のブランドになります。1972年フェニックス社は、日本人の萩野正明氏によって設立されたファッションメーカーです。1993年に奥さんの萩野いずみ氏をクリエーティブ・ディレクターに据えてスタートしています。1995年には本拠地をイタリアミラノに移して、2001年から伊藤忠とライセンス契約を結んで、本格的に日本での販売を開始しました。

アンテプリマといえば、ワイヤーバックが有名です。丈夫で竹籠のようなシンプルなデザインになっていますが、独特の存在感があり日本でも人気があります。金属製のワイヤーに樹脂コーティングしたものを、手で編み上げたバッグです。2007年には、フェニックスグループのアンテプリマを完全子会社化して、ブランド事業を強化しアンテプリマジャパンを設立しました。

現在、直営店が国内でも20店舗以上になっています。香港からミラノに本拠を移した背景は、より上質なブランド戦略とミラノコレクションを支えている職人達の技術を求めていたものと考えられます。バッグに限らず、プレタポルテからショーズ、アクセサリーなどのトータルファッションを標榜しています。デザインコンセプトもモダンで活動的な女性を対象とした上質なファッションになっています。事実、アンテプリマのファッションアイテムは高級感漂うものです。

プレタポルテに関しては、オーソドックスなシェープのなかに、上品なフェミニンさを忍ばせながらも、軽快でリズミカルな大人のファッションになっています。バックにおいては、ワイヤーバックに限らずに、イタリアらしい上質なレザーアイテムが揃っています。ワイヤーを使った飾りや金属製の金具類の使い方が、効果的に配されたアンテプリマらしい仕上りになっています。

アンテプリマは素材感とカラーリングのマッチングが絶妙です。アクセサリーやシューズは、それらの特徴をよく示しています。メタル系の素材を使いながらも、巧みな色使いで冷たさを感じさせない、いかにも女性デザイナーならではの繊細な仕上げが特徴です。けして派手なわけではありませんが、華があるというような独特の存在感があります。しかしこれといって押しつけがましいところのない活動的な大人の女性を表現しています。萩野いずみ氏が中心のブランドになっていますが、やはりミラノならではの上質でクラシカルな雰囲気もあって、なぜミラノに本拠を移したかがわかるような気がします。

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