抱き枕

抱き枕

抱き枕をご存知ですか。 熟睡を誘う効果があるとされていますが、胎児の時の潜在的な記憶が抱き枕を抱くことによって、呼び覚まされるという心理学的な効果も言われています。 幼児が母親の胸に抱かれると泣き止んだりしますが、それと同じ心理作用があるのだと思います。

中国には竹夫人と言われる抱き枕の一種があります。 竹で編んだ籠ですが、夏場の熱い夜に使うものです。 由来は漢時代の中国皇帝の寵姫の名前から来ているようですが、新しい寵姫に皇帝を取られて悲嘆のうちに死んだ寵姫の名前が竹夫人だったそうです。 竹夫人を抱くことによって、竹籠の隙間を風が通って、涼を取ろうとするものです。

抱き枕とダッチワイフは、もとろん違うものですが、基本的にはフロイド先生のリビドー理論に従えば、心理学の性欲を満たす精神的な効果があるという点で共通しているのかもしれません。これを満たすことによって、精神安定やストレス解消には効果があります。 実際のSEXの意味での性欲ではなくて、母親に対する性的な希求欲望という根源的な欲求が人間にはあるそうです。ちなみにダッチワイフの語源もこの竹夫人からきているそうです。 中国貿易をしていたオランダ人が、竹夫人を使っているのを見たイギリス人が、誤解して女性のいない寂しさを紛らわすための道具と思い込んだのが始まりだと言われています。

現代人にストレスが多いのは、知られたことですが、結婚も晩婚傾向になって、人肌が恋しくなる生理的な欲求は成人男性に限らず女性にもありますが、子供も布団や枕を抱きしめる子が多くいます。 抱き枕の人気の裏側には人間の深層心理があると言えるでしょう。

抱き枕は、とくに女性を中心にして人気になっています。その種類はたくさんあります。 竹夫人のような涼を取るといったものより、抱くことが目的のものばかりです。 アイドルやアニメキャラなどをプリントしたものから、形体も枕の形のものから人形の形のものまでいろいろあります。 子供用の抱きぐるみなどは、玩具の一種で昔からありましたが、その延長のようにも思えます。

身体に圧迫をかけない抱き枕は、身体にも良いとされています。本能的な欲求を満たすことによって、ストレスや潜在的な欲求不満を解消できるものとして、今後もすたれることはないでしょう。 人間工学的にデザインされた抱き枕もあります。形状も引き伸ばした勾玉のような形で、素材もウレタンや高分子素材です。 幼児期の記憶を思い出すと言った人もいますが、いずれにしても今にして、はじまったことではありません。 ただ抱くだけでなくて、足を乗せたりできる大型のものです。

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