ラボエム

ラボエム

最初のラボエムは、原宿神宮前のビルの2階に作られました。最初のコンセプトは、当時、流行っていた壁の穴のようなスタイルで、麺をオーダーが入ってから茹で上げるスタイルで、明太子スパゲティやアサリとシメジのスパゲティなど、イタリア料理というよりパスタ専門店といたほうが適切なレストランでした。 グローバルダイニングのレストランとしては、最初のタイプです。それ以前はカフェバーとしてゼストがあっただけです。 地下一階には原宿ゼストがあり、松田優作の探偵物語のラストシーンが撮られたことで有名でした。 ラボエムは、グローバルダイニングが経営するイタリア料理のレストランです。

素朴な調理法で、素材のよさをスポイルしないで提供するという開店以来のポリシーに変わりはありません。現在のメニューは純然としたイタリア料理というより、カリフォルニア料理などの影響が色濃く交じり合う、無国籍料理に近くて、グローバルダイニングのほかのコンセプトの影響も大きいと思われます。 基本的には、現在もパスタ専門店には変わりはありません。 ラボエムの料理の売りは、オーガニックの食材にこだわっている点です。 前菜などにバリエーションを待たせて、カクテルなどを充実させたカフェバーの色彩を融合させたカフェレストランと呼ぶのにふさわしいコンセプトになっています。

グローバルダイニングの全ての店舗でいえることは、その奇抜なインテリアです。店内のインテリアにアミューズメントの要素を持たせることによって、他店との差別化を図ろうとするものです。 ただ共通しているのは、立体的な段差の多用な構造が目立つもので、空間的な個室感を、無意識のうちに構成しています。現在、ラボエムは20店舗を数えます。 インテリアの構成に統一性はなく、料理と同じで無国籍な手法がとられていて、その時のトレンドや、アンティーク調や、ウエスタン調、アールヌーボーやアールデコと何でもありの世界になっています。 グローバルダイニングの設立当初から変わらぬ戦略だと言えます。

今後の展開しだいでは、イタリアンレストランの老舗のラボエムにも、暗い影が落ちそうです。 最近は、カンツォーネなどのライブをやるラボエムもあり、色々趣向を凝らして集客していますが、コンセプト的に古くなっていることは否めず、料理においても社内的な差別化もなくなり、かつての隆盛が廃れてしまったといわれてもしかたありません。 多様な消費者のニーズに、収益性を求めるあまり、店舗の大型化する傾向には疑問の声もあります。

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