りそな

りそな

りそなの母体は、旧埼玉銀行と旧協和銀行が合併したあさひ銀行と旧大和銀行ですが、どちらの銀行も問題を抱えていて、弱者同士の合併と言えるものでした。 りそなとは、銀行再編の嵐の中で揉みくちゃにされながら生き残った独立系の銀行です。

大和銀行は1995年のニューヨーク支店の総額1000円億円損失の煽りを喰らい、存亡の危機に瀕していました。 あさひ銀行も旧埼玉銀行と旧協和銀行との内部抗争で疲弊していたお家の事情もあり、大和銀行と合併してりそな銀行が誕生しましたが、自己資本比率が大蔵省の基準に満たないために、あえなく国有化の憂き目に遭ってしまいました。

事実、内部改革の行われにくい銀行業界のなかで、いち早く外部の人材を招聘し、現在のオンラインサービスやATMサービスに着手したのは、りそながはじめてで、小泉内閣の改革劇場の端緒と言ってもいいでしょう。 予防的公的資金の金融機関の注入は、バブル以降の金融危機の一手として小泉内閣の明確な意思表示として、りそなの国有化があったとされていますが正しい認識と言えるでしょう。

現在のりそなはリテールに強い都市銀行です。 人件費の削減も、関連企業からのマンパワーでなく、学生アルバイトを募集するなど、人件費削減とリクルート活動を兼ねたアメリカのインターン制度のような効果を狙ったものです。 今までの銀行にない金融サービス業を目指しています。 VISAカードのプリンシパル・メンバー権を取得し、自社カードとは別途のカード発行形態を考案して、新たな利用方法を模索しています。

コンビニエンスのATMの手数料無料化も、都市銀行としては最も早い対応を見せています。ただ、りそなの改革の取り組みは、自ずと対面販売を基本にした旧来型の銀行の限界があると考えられています。 フットワークの速さを見せつけています。 銀行内部の情報公開もほかの銀行に見られない特徴です。 頭取などの旧来の銀行の管理体制から、集団的な管理体制にシフトし、より開かれた銀行を印象づけています。

国有化以来のインフラ整備の遅れは、どうしょうないものになっています。 解決策として、インターネットを利用したネットバンキングがひとつの方法だと言えますが、その点においては、りそなは不利な立場にあります。 今後、送れた部分のインフラ整備をどう取り戻すかが、りそなの命運を握っていると言えると思います。 支店の統合廃合により、口座開設のハードルは高くなって、一般個人ユーザーの獲得には、これまで以上に困難を極めると考えられています。

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