東進

東進は東京に本拠地を置く予備校グループです。首都圏を中心に８４の校舎を持ち、フランチャイズとして全国で約８００校の東進衛星予備校を有しています。東進の授業方法は、徹底したＤＶＤを使った個別授業が特徴になっています。現役生を中心とした予備校としてもユニークな東進ですが、現役生にあわせた授業方法がＤＶＤの授業になっています。

高校の授業と予備校の授業を同時に受けることは、現役生にとって大きな負担になり、従来の生授業では、どうしても非効率的になってしまいます。授業内容も講師によってバラツキが出てしまいます。ＤＶＤの授業によって、個々の生徒の学力やスケジュールに合わせた授業を可能にしています。大きなホールで有名講師が授業を行なうといった風景は東進にはありません。

東進の学習は、確認テストで学力の進捗を判断して、基準をクリアすると、次の段階に授業を進ませるものです。高速マスター講座は高速暗記講座と高速トレーニング講座に分かれています。高速暗記講座は、単純に暗記する授業を反複確認して効率的に行なう講座です。高速トレーニング講座は定型計算や発音などの反復トレーニングの効率を図る講座です。

東進の授業システムは、さらに一歩進んで、学力ＰＯＳというシステムがあります。学力ＰＯＳは、インターネットのＷＥＢサイトを利用した学習システムになっていて、確認テストや高速マスター講座などがＷＥＢサイトから受講できるものです。思考能力や応用能力を鍛えるにはＤＶＤ授業を中心に集中的に行い、単純な反復学習を学力ＰＯＳで補うというシステムは、徹底して無駄な時間を省こうとする発想から生み出されたものです。浪人生よりも現役生に重点を置いた授業システムと言えるでしょう。

東進では講師や教師の代りに担任制度を敷いています。学生には担任者がついて、学習の進捗や方法の相談に応じています。担任制のシステムは、社員の担任者のほかに担任助手がいますが、担任助手は東進の卒業生が多くて、月一回のグループ面談などで、より実質的なアドバイスを行なってくれます。

東進には東大特進コースなどの特設コースがありますが、誰でも入れるというものではなくて、基準となる学力を身につけた者だけが、受講できるコースになっていて、その分授業料も安くなっています。このような東進の徹底した学習システムは、合理主義を追及した結果と言えますが、あくまで本人の努力次第であり、本人の個人レベルに合わせた今までの大量学習とは異なるメソッドを提供しているものです。