マルジェラ

マルジェラはアン・ドゥムルメステールー、ドリス・ヴァン・ノッテン、ダーク・ビッケンバーグ、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、ダーク・ヴァン・セーヌなどと共に、アントワープの６人と言われるベルギーのファッションデザイナーです。また、そのブランド名です。女性、男性のファッションを手がけて、アクセサリーや靴などのコレクションも発表しています。マルジェラをファッションデザイナーとして限定するには、いささか抵抗があります。またアートオブジェの製作や出筆活動も行なっています。

デザイナーとしての出発は、アントワープ王立芸術学院を卒業後に、ジャン＝ポール・ゴルチエに師事し、彼のアトリエに参加しています。マルジェラのブランドを立ち上げたのは１９８８年で、レディースから始めました。翌年にはメンズコレクションも発表するようになりました。彼のデザインは、パリコレの中では異色で、アンチモードをデザインコンセプトに、アバンギャルドなコレクションを発表して、アメリカのポップアートを思わせる日常の素材を使ったメッセージ性の強い作品が特徴です。ディストロイコレクションと呼ばれていました。

日本との関係も深いようです。コムでギャルソンの川久保　玲とは親交があり、共同でファッションショーを行なったこともあります。川久保　玲と同様にマルジェらもほとんどメディアに姿を表さないことでも有名です。ほとんど彼の写真は公開されずに、業界関係者でもの素顔を知る者は少ないとされています。仙台のレボリューションが、初期の頃からマルジェラの正規代理店として取引がありました。当初のマルジェラの売上の大半を占めていました。２００２年にはディーゼル社に買収されました。

最近のマルジェラのデザインは、レディースのコレクションに関して、シンプルでモノトーンのカラーリングを使いつつ、ドレープを使ったフェミニンな装い保ち、大胆なカットやブレストをシースルーにするなど単純なフォルムのなかに、過激な一面を垣間見せています。タイトなフォルムにストリートファッションのテイストを加味したワイルドタッチのデザインが特徴です。メンズのコレクションはラフなカジュアルスタイルが中心になっています。小物に関しては、どこかエキゾジズムを感じさせるアースカラーのバックや無機質なパステル調のメーキャップケースなど多様な展開を見せています。