ベビードール

ベビードール

アウターとしてベビードールを使われはじめたのは、キャミソールの影響です。海外では生まれないファッションでしょう。今でも海外で販売されているベビードールは本番戦闘モードの透け透けの危ないものばかりです。こんなベビードールまで昼間のファッションとして使ってしまおうとするのが、東京コレクションの東京コレクションたるゆえんだと思います。ベビードールとは、本来ナイティと言われるパジャマや寝巻きの一種です。オネイ系の危ないセクシーを強調したデザインと胸元から広がる、しょせんAラインを応用したフェミニンなテイストをブレンドした日本ならではの発想です。結構きわどいデザインで、昔の映画ではセクシー女優が男を誘惑する時に着ていたりしました。

ベビードールと言っても、それらしいテイストを摘んだようなデザインコンセプトですから、アメリカ人などが抱いているセクシーなベビードールとは、だいぶニュアンスが違っています。フリルやギャザー、リボンや紐でデコレートしたものが多くて、それだけ着たのでは、とても外に出ることはできません。べビードールに使われる素材は、透け透けのナイロンやシルク、最近、流行りのシフォンといったところです。かつてのキャミソールも、出たての頃は、結構抵抗なある人も多かったはずです。あくまでもアウターとして、レイヤードファッションの味づけ的なアイテムと考えられるべきでしょう。

ベビードールはしょせんインナーをアウターに転化させた安直なコンセプトで、従来のキャミソール系のコンセプトの2番煎じと言ったところでしょうか。ベビードールも、本来の意味のわからない若い人には新鮮に映るのかもしれません。販売されているベビードールをみると、全体のデザインは従来のベビードールのデザインを踏襲しながらも、すそなどにレーステープを配したり、フリルでアクセントを持たせたりするものが多くあります。いずれにしてもどことなく種切れの様な状況があるようです。手当たり次第に既存の服飾から、滅茶苦茶なコンセプトを拝借してきてデザインしたのがベビードールと言うことになります。生地が厚手のものであれば、チェニックとシルエットのデザインが変わらないものになっています。今のベビードールは、キュートと言うよりも小悪魔的なコケティッシュさが強調されていて、まだ10代から20代前半の若い女性に人気があります。その意味では、チュニックなどの亜種的なデザインとして提案されてきたのかもしれません。

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