鯛茶漬け

鯛茶漬け

鯛茶漬けとは、その名前の通りで、ご飯の上に鯛を乗せてお茶をかけた料理のことです。お茶漬けというとても手軽で身近な料理でありながらも、そこに鯛という高級魚を乗せることで、どことなく贅沢な雰囲気を楽しむことができます。この鯛茶漬け、お茶漬けということでシンプルなイメージを持つかもしれませんが、作り方によって奥深いものにすることができます。

鯛茶漬けの基本的な作り方と美味しくするためのポイントを紹介します。まず、鯛の準備です。鯛はあまり厚く切りすぎるとお茶を注いだ時に、熱が通りづらくなるので薄目をお勧めします。鯛を切り終わりましたなら、その鯛をタレにつけます。醤油、酒、みりんを混ぜ合わせて作るタレが、鯛の味を楽しむうえではもっとも一般的なものだと思います。でも、胡麻と煮切り酒を合わせた胡麻ダレも、どことなく通で大人な感じがしてお勧めです。鯛をタレにつける時間はお好みによりますが、つけすぎると鯛の歯ごたえがなくなってしまうことがありますのでご注意ください。

次に、お茶漬けにかけるお茶ですが、やっぱり緑茶かほうじ茶がポピュラーでしょう。ただ、ここで、鰹や昆布でしっかりダシをとった汁をかけても、とても美味しくなります。お茶をかけていないので鯛茶漬けとは呼べないかもしれませんが、そこに強くこだわる必要はないかと思います。美味しく食べられるのが一番ですからね。これで準備は整いました。茶碗に熱々のご飯を盛って、タレにつけておいた鯛を乗せます。そして、この鯛とご飯の上からお茶をかけます。この時お好みにより、わさびや三つ葉、海苔や白葱なども添えてあげましょう。薬味の存在が鯛茶漬けを一気に贅沢な印象に変えてくれます。

これで鯛茶漬けの完成です。熱いうちに食べてしまいましょう。行儀をあまり気にしないで、素直に味を楽しむ。それが鯛茶漬けを美味しく食べるために一番重要なことかもしれません。お茶漬けには、江戸時代からの長い歴史があります。汁をご飯にかけて食べるということになると、さらに古くまでさかのぼります。お茶漬けは元々は夕飯の支度をする手間を省くためであったりとか、残ったご飯を使ってしまうためだったりとか、それほどよいイメージではなかったようです。今でも、あるいはそういうイメージが残っているかもしれません。けれど、そんなお茶漬けだからこそ、肩の力を抜いて気軽に食べられるという良い面を持っています。鯛茶漬けは豪華さと気軽さを持ち合わせた最高に豊かな食事かもしれません。

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