メニエール病

メニエール病

メニエール病はめまいの一つです。患者さんにとっては辛い病気です。時に激しく、吐き気をともなうこともあります。日常生活に支障をきたすものもあります。 発作は数分から数時間の軽いものから2、3日も続く重いものまであります。視界がぐるぐる回るのが特徴です。 症状が進むにつれて、耳鳴りや難聴などの耳の異状をともなうようになってきます。

原因は、内耳の中にできたリンパ液の水腫で、これが神経を圧迫して症状を起こします。耳鳴り、難聴、平衡感覚異状(めまい)の症状がでます。内耳には蝸牛管や三半規管、耳石など聴覚以外にも、運動感覚や平衡感覚に関わる器官があります。

  日本でのメニエール病の患者数は約20,000人といわれています。30代から50代の働き盛りの人、とくに男性に多いのも特徴です。どうして発症するかは詳しいことまでわかっていません。なかでも責任感が強い、働きすぎ、人間関係などで緊張する環境にいる、ストレスが溜まりやすい人に多く発症しています。過労や強度のストレスがきっかけで発症するともいわれています。子どもの発症は見られません。生活習慣病の一つと考えられています。

  症状は最初は軽くても、発作を繰り返すうちにどんどん重くなっていきますので、初期の発見と治療が大切です。ただ、メニエール病に詳しくない医師も多いので、専門の医師や病院にかかるようにしてください。治療は、原因がはっきり解明されていないこともあって、根治療法は確立されていません。病状が進んでしまっている場合には、内耳の手術を行なうことがあります。現状は、症状をコントロールする薬物療法が中心になっています。

  薬物療法に並行して、日常生活のコントロールことも大切です。ストレスをためない、規則正しい生活をする、睡眠を十分にとる、休日はしっかりと休むなどの心がけが大事です。また、気象の変化、低気圧や前線の接近にともなって発作が起こることもあります。とくにメニエール病と診断されたことによって、発作や治療への心配から逆にストレス、不安が溜まり発作を起こしやすくしてしまうケースがありますので、症状のコントロールをしっかりと学ぶことが大切です。その意味で、多くの症例を扱っている専門医にかかることが大切です。

  メニエール病とつき合うには、日ごろから発作の前兆をつかんでおくことが大切です。人によって異なりますが、前兆としては、耳鳴り、耳がふさがったような感覚、軽いふらふら感、頭痛などがあります。発作が起きたら静かな環境で横になって安静にします。仕事場の同僚にも、自分がメニエール病であることを事前に知らせておいて、周囲の理解を得ておくことも大切なことです。

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