マーキュリーデュオ

マーキュリーデュオは、渡辺由香がプロデューサー兼デザイナーの神戸のファッションブランドです。あえてセレクトショップとオリジナルブランドショップを兼ねたリミックススタイルをとっています。 ターゲットは、渡辺由香と同世代の２０才代から４０才代といったところです。セレブ系の顧客が中心です。 基本的なデザインコンセプトは、神戸のお嬢様ファッションがベースになっていて、ゴージャスでフェミニンタッチのニュートラッド系といったところです。 シェープに関しては、トレンドのテイストをとり入れた手堅いデザインです。

最近の傾向としては、シフォン素材を使ったギャザーワンピースやパステルカラーのアウター、パーカーやベーシックなニットが目立っています。ギャザーやドレープでゴージャスだけど、洗練された大人のフェミニンさが表現されたものになります。 オリジナルのコレクションもかなり充実しています。意外と全体のフォルムはＡラインのオーソドックスなシェープにまとめられいます。 神戸コレクションには毎年出品しています。 オリジナルのデザインコンセプトはエレガンスがキーワードになっていて、毎年のテーマは違ってもエレガンスは外していません。

マーキュリーデュオは、よくも悪くも神戸コレクションを代表するブランドです。その結果、とても親しみやすいデザインになっています。 コレクション全体では、かなりバランスよく、トレンドをつかんでいる印象にあります。それは、とりもなおさず渡辺由香のデザイナーとしてのスタンスにありますが、ファションデザインとして、ある種のあか抜けのなさがあると同時に、トレンドに対して貪欲なまでに追求して、それを神戸という地方性で上手に消化している感があります。 いわゆるデザイナーズブランドとは異質で、コレクションとしてのデザインというより、デザイナー自身が着ることを前提にデザインされたコレクションという感じがします。

ＪＪなどが取り上げるブランドとしては最適な日本人にあったデザインは、誰が着てもそれなりに着こなすことができるばかりではなく、しっかりと最新のトレンドのデザインも楽しませてくれています。しかし伝統的な神戸コレクションの継承者として、ハマトラと同じようなポジションを占めていくと思います。 今後はマーキュリーがどれだけ明確なライフスタイルの提案を展開できるかが発展のカギを握ると思います。 マーキュリーデュオは、関西ばかりでなく首都圏でも定番ブランドになりつつあります。