借金 時効

借金 時効

借金に時効があるのを知っていますか。その前に時効とは何という人のために簡単に時効の意味を説明しますと、一定の状態が一定期間そのまま継続した場合、真実の権利関係の合致に関係なく、事実の権利状態に適合するように権利の取得、喪失という法律効果を変動させる制度のことです。難しく思うかもしれませんが、もっと簡単に言うと、現状が「間違ってる状態」だったとしても、一定期間過ぎたらもうそのままでいいと決めてしまう法律です。よくテレビでありますよね。時効目前の犯人を捜してますという特番とか。実は、そういった事件に限らず時効は成立します。

たとえば、他人の土地に勝手に家を経てて、そのまま10年間住み続けた場合、その他人の土地を乗っ取ることができます。ふざけた法律という気がしないでもありませんが、これで借金に時効を成立させることができれば、合法的に踏み倒せるというわけです。しかし、これがそんなに簡単なことではありません。まず、前述した他人の土地の例で言いますと、10年内に立ち退きを要求されたら立ち退かなければいけません。立ち退き命令を受けてそれを10年間無視し続けても時効は成立しません。当然実力行使などもしてくるでしょう。最後の立ち退き命令から10年間音沙汰ないのでしたら時効は成立します。

基本的には、よほど運がいいか、相手がうっかりさんか、あるいは裏工作でもしない限りは時効は成立しません。借金も同じです、債権者からお金を返せと請求されれば借金の時効が中断されます。また、もちろん差し押さえとか仮処分とかを食らっても借金の時効は成立しません。基本的に、この借金の時効というのは、相手が返済を放棄したと認められたら成立するというようなものです。10年後に思い出して急に返せと言い出してもそれはダメだよという法律です。

ちなみに、個人間の借金は10年が時効ですが、銀行や消費者金融などで借りた場合の時効は商事債権となり、5年で借金の時効が成立します。しかし、どちらが成立しやすいかといえば個人間のほうでしょう。企業はやはりこまめに請求してきます。ちなみに、前述した他人の土地のようなケースを『取得時効』と言い、借金の時効のような場合は『消滅時効』と言います。また、殺人の時効みたいな刑事事件の場合は、『公訴時効』と言います。とはいえ、踏み倒しなんてあまり褒めれるやり方ではありませんので、できれば少しづつでも返済しましょう。

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